弟はキラキラなはずの高校生活を3年間、まだらなスキンヘッドで過ごしていた
治療は
- サドべ
- 放射線治療
- 扁桃腺切除
などいろいろしていた
うちは家族全員が扁桃腺持ちなのです
医者曰く扁桃腺が悪さして脱毛が起こっているかもしれないとのことで
2週間入院して切除していたけど
特に良くなることは無かった
二つで100万円もするカツラを特注で作っていたけど
結局弟はそれを被って高校に行くことは無かった
その後もほとんど使用しなかったみたいで
「こんなん100万円捨てたようなもんや、 お店で洗い変え用に二つ買った方がいいって言われて買ったけど二つも買うんじゃなかった!」
って母が言ってた
本当、一個50万なんて今思うと高すぎるし、そんなのを病気の子供に二つも売りつけるなんて酷いと思う
クソみたいな商売しやがって
でも弟は強かった
まだらなスキンヘッドで休むことなく高校に通い
めちゃくちゃ小柄なのに、サッカー部と柔道部で活躍し、勉強も頑張った
私と違って頭が良かったから地域で一番優秀な高校に行ったおかげで
そんなに酷いいじめには合わなかったみたい
でも陰口言われたりジロジロ見られることは多かったと言ってた
「皮膚科の医者はろくなのがいないから俺が医者になる!」
って豪語してたけど
ハゲてることがどうでも良くなってきたらしく、医師にはならず工学博士になった
「お姉ちゃんが脱毛症になるんだったら医者になっとけばよかったわ」
って言ってくれてなんか感動した
今はアラフォーになった弟は相変わらずまだらなスキンヘッドだけど
もう全く気にしていないらしい
でもずっと彼女はいないみたいで、それが脱毛症のせいなのかわからないけど、一生結婚はしないらしい
「むしろ脱毛症になって良かったわ、しょうもないやつがスグわかるようになったから」
って言ってた
私は脱毛症になって良かったなんて思える日は来ないだろうと思う
そんなこと言うのきれい事だと思ってたけど、弟はちょっと本気に見えた
脱毛症に家族性があるのかはハッキリしていないって医者に言われたけど
ここにいるからあるんだと思う
わたしは弟が強めの脱毛症だからって、自分もなるなんて夢にも思ってなかった
本当に、弟だけの病気だと思ってた
なぜ23年も差があったのか、私の方が軽症なのか本当に不思議
両親は薄毛だけど、年相応のやつで病気じゃないし、親戚にもいない
ただ産まれる前から決まっていたんだろうな
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